コラム

「機能性表示食品」の可能性 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

「機能性表示食品」の可能性 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

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 2015年4月より、機能性表示食品制度が開始しました。これにより、一定の科学的根拠に基づき食品関連事業者の責任において、特定の保健の目的が期待できる旨の表示が行えるようになります。※1ただし、食品の基本情報等は販売日の60日前までに消費者庁長官に届け出ることになっているため、実際に店頭で商品が多く見られるようになるにはしばらく時間がかかりそうです。
 そこで、今後表示が期待される商品の現在の購買者の特徴を把握することで、機能性表示食品の可能性を予測します。今回例として取り上げた商品は、カゴメ株式会社「高リコピントマト」です。この商品は同社「ラウンドトマト」よりも1.5倍のリコピンを含んでいます。リコピンは、美白・美肌や生活習慣病に関する研究結果が出されています※2

 まず、性年代別の点数構成比を集計しました。高リコピントマトと、同商品とほぼ平均売価、購入点数が同じトマト1袋と比較したところ、高リコピントマトは女性40代~60代の点数構成比が高いことがわかりました。

図表1 性年代別点数構成比(2014年4月〜2015年3月)

出所:株式会社ショッパーインサイト real shopper SM
real shopper SMの詳しい概要はこちらをご覧ください

 次にバスケット単価を比較しました。すると、通常のトマト1袋購入時のバスケット単価に比べて高リコピントマトのバスケット単価は高い傾向にありました。1回当たりのバスケット単価の高い顧客から購入されていることがわかります。(尚、同社のこくみトマトと比べても平均バスケット単価は100円近く高いことがわかりました)。

図表2 トマト購入時バスケット単価 価格帯別構成比

出所:株式会社ショッパーインサイト real shopper SM

 さらに、高リコピントマトと通常トマト1袋のヘビーユーザーが購入しているマヨネーズはどのようなものか分析しました。結果は図表3のとおりです。購入率に差がついた商品を抜粋しました。図表の見方ですが、高リコピントマトのヘビーユーザー(ここでは年間6回以上購入)のうち6.3%の人は同期間中にキユーピーハーフ210gを買ったことを示しています。これによると、通常トマト1袋のヘビーユーザーに比べて、高リコピントマトヘビーユーザーは、カロリーオフやトクホの購入率が高いことがわかります。一方、通常タイプのマヨネーズは購入率が低いことがわかりました。

図表3 ヘビーユーザーのマヨネーズ購入率(2014年4月〜2015年3月)

出所:株式会社ショッパーインサイト real shopper SM

 以上より、現状でもリコピンの機能に期待し、健康に気を使う40代~60代女性を中心に購入されていることが伺えます。また、客単価も高いことから、小売業側にとっても優良顧客であることがわかります。今後、機能を表示した商品が販売されることによって、健康志向のユーザーからさらに関心が高まることが期待されます。

  • ※1 詳細は消費者庁ホームページをご覧ください
  • ※2 カゴメホームページより

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