コラム

正月関連商品の購買行動 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

コンセンサス 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

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 年が明け、小売業やメーカーの方々とお話しをさせていただくと、昨年の正月関連の商品の売上が思わしくなかった、という声があがりました。それでは昨年の正月関連商品の動向は2015年、2014年と比べてどのように推移したのでしょうか。rsSMデータを用いて確認します。

 分析期間はクリスマス関連商品の購買が一段落する12月26日~31日までの6日間としました。各年の曜日は図表1のとおりです。2014年、2015年は前半に土日が該当しましたが、2016年は31日が土曜日でした。

図表1分析期間と曜日

 分析対象カテゴリーは図表2のとおりです。年末に需要が高まるカテゴリーを中心に集計しました。

図表2分析対象カテゴリー

 まず、各カテゴリーの分析期間中の1店舗当たり購買金額を集計しました(図表3)。すると、和牛うす切りを除いて、どのカテリーも前年を下回りました。特にボイルかに、お供え餅、各種アルコールの購買金額が前年を大きく下回りました。

図表3年末の1店舗当たり購買金額(税込)

※非会員のデータは含まない

 前年を大きく下回ったカテゴリーの購買金額が伸び悩んだ主な理由は何でしょうか。日別のカテゴリーの購買金額を集計しました(図表4~6)。すると、どのカテゴリーも12月26日、27日に購買金額が前年ほど達しなかったことが大きな要因のようです。その後も前年並み、前年をわずかに上回る日が多く、前半のマイナスをカバーするには至らなかったようです。

図表4ビールカテゴリーの1店舗当たり日別購買金額

※非会員のデータは含まない

図表5焼酎乙類の1店舗当たり日別購買金額

※非会員のデータは含まない

図表6お供え餅の日別購買金額

※非会員のデータは含まない

 上記でわかるように、2016年は全体的に年末ギリギリにならないと正月向け商品は購買されませんでしたが、性年代別で購買行動に違いはあるのでしょうか。そこで、おせち、お供え餅の日別購買金額PIを女性30-40代、50-60代、70-80代で比較しました。
 女性50-60代、70-80代におけるおせちの購買ピークは29日から30日であるのに対して、女性30-40代は31日がピークとなりました(図表7)。

図表7おせちの日別購買金額PI

 また、大みそかよりも前に購入されることの多いお供え餅では、女性50-60代、70-80代におけるピークは28日でその後は減少傾向にあるのに対して、女性30-40代は30日まで緩やかに増加しました(図表7)。

図表8お供え餅の日別購買金額PI

 女性30-40代がギリギリに購買するのは12月31日も同様です。図表9は、おせちの12月31日における時間帯別購買金額を女性30-40代、50-60代、70-80代で集計しました。女性50-60代、70-80代は午前中と午後の早い時間にピークを迎えますが、30-40代は午後から夜にかけて徐々に高まり、17時頃にピークを迎えます。最終日も比較的遅い時間帯に購入するようです。

図表9おせちの時間帯別購買金額

 以上のことから、2017年の年末に向けては下記のことがいえそうです。

  1. 2017年の年末は、12月26日(火)~31日(日)となっています。このため、前年同様に前半はそれほど購買が進まないことが予測されます。しかし、30日、31日が土日となっていることから、例年よりもラストスパートが期待できそうです。
  2. 若年女性ほど年末ギリギリ、または遅い時間に購入することがわかりました。そのため、若年層から購入されている商品に関しては、最後まで品切れしないことで機会ロスを防げそうです。たとえばおせちカテゴリーですと、錦玉子が若年層に購買されていました。

 曜日や景気、気候に左右されることから、年末の購買行動は予測が立てにくいですが、そのような中でも前年の動向を把握しておくと対応策を講じることができそうです。

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