コラム

乳酸菌入り商品の販売動向 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

乳酸菌入り商品の販売動向 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

本記事のPDFファイルをダウンロードする

 先日、キャンディを買おうと棚を見た際、「乳酸菌」という言葉に魅かれて思わず商品を購入してしまいました。キャンディに限らず、身近な商品に身近な食品に乳酸菌を加えて健康促進をアピールする食品が続々と登場します。消費者の健康への関心が高まる中、各社は乳酸菌入り食品を新たな収益の柱に育てようとしています※1
 このような状況の中、食品SMではどのような乳酸菌入り商品が販売されているのでしょうか。rsSMデータを用いて分析を行いました。

 「乳酸菌」配合の食品はどのようなカテゴリーから販売されているのでしょうか。主な乳酸菌配合の商品は図表1のとおりです。今回は便宜上商品名に「乳酸菌」と表示されている商品のみを分析対象としました(乳酸菌飲料、ヨーグルトは対象外としています)。豆腐などの加工食品から、パン、飲料、菓子に至るまで様々なカテゴリーから商品が販売されています。

図表1主な乳酸菌配合商品

 カテゴリー別の月別販売金額PIを集計しました(図表2)。冬期に販売金額PIが拡大する傾向にあり、今年もさらなる拡大が期待されます。
 カテゴリー別に見ると、「ロッテスイーツデイズ乳酸菌ショコラ56g」などのヒットもあり、チョコレートカテゴリーの金額構成比が高いですが、最近ではラムネ・タブレット、キャンディ、乳飲料(「乳酸菌と暮らそう濃厚カカオのココア240ml」など)の金額PIが高まりつつあります。

図表2月別販売金額PI

 それでは、乳酸菌配合の商品はどのような性年齢の方に購入されているのでしょうか。今回はキャンディを例にとり、既存商品の性年齢別点数構成比と乳酸菌配合商品の性年齢点数構成比を比較しました(図表3)。
 すると、「パインアメ」、「ミルキー」ともに、乳酸菌配合の商品は既存商品よりも女性40代、50代の構成比が高く、購入年齢層が高いことがわかりました。従来とは異なる層より購入されていることがわかります。

図表3キャンディの性年齢別点数構成比(2016年11月~2017年10月)

 今後も拡大が期待される乳酸菌配合食品ですが、課題としてはどのようなことがあげられるでしょうか。それは、必ずしも各カテゴリーの購入者層が一致していないことがあげられます。
 図表4は、期間中に乳酸菌配合菓子を購入した人のうち、他カテゴリー(飲料、調味料など)を購入したことのある人の割合を、購入者重複分析を用いて集計したものです。乳酸菌配合菓子購入者のうち、飲料も購入した人は2.2%にすぎませんでした。前年同期に比べると重複率は高まっていますが、店頭で関連購買を訴求することで、さらに販売点数が増加できると思われます。より需要が高まる冬場での展開が期待されます。

図表4購入者重複分析(2017年5月~10月)
  • ※1 毎日新聞2017年9月13日

本記事のPDFファイルをダウンロードする

ページトップへ