コラム

野菜の購買行動(2017年1月-12月) 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

野菜の購買行動(2017年1月-12月) 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

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 株式会社ショッパーインサイトでは、年に1回生鮮カテゴリーレポート(野菜編)をまとめ、野菜カテゴリーにおける消費者の購買行動を明らかにしています。このたび2017年1月~12月の購買行動データを発刊しました※1。今回のコラムでは特に注目される動向をご紹介します。
 最初に、野菜カテゴリー、野菜加工品カテゴリー全体における、購入者一人当たりの年平均購買回数、購買金額、期間中購入経験率(期間中来店者のうち当該カテゴリーを購入した人の割合)を集計しました(平均購買金額は税込)。
 すると、野菜は購入経験率が減少しただけではなく、年平均購買回数、金額も前年に比べて減少しました。一方、野菜加工品は購入経験率こそ若干減少しましたが、購入者一人当たりの回数、金額は前年を上回りました。

2017年1月-12月の購買動向

 次に、カテゴリー別の年間の動向を分析し、年平均購買金額(一人当たり)や、期間中購入経験率を集計しました。ともに前年を大きく上回ったカテゴリーはあまり多くなく、舞茸、カット野菜※2、豆苗の3カテゴリーでした。

年間カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)

※購買金額が前年比3%以上、購入経験率が0.5ポイント以上増加したカテゴリーを抜粋

 舞茸カテゴリーの週別販売金額PIを前年と比較したところ、ほぼすべての週で前年を上回りました。また、テレビで取り上げられる週は通常週よりも販売金額も増加する傾向にあります。

舞茸カテゴリー週別販売金額PI

 豆苗も前年を上回る週が多いです。10月頃一時的に前年を下回る週が続きましたが、11月以降他の生鮮野菜の価格が高騰した影響もあり、再度需要が前年を大きく上回る状況が続いています。

豆苗カテゴリー週別販売金額PI

 一方、年平均購買金額(一人当たり)や、期間中購入経験率がともに前年を大きく下回ったのは下記のカテゴリーです。多くのカテゴリーで前年を下回りましたが、特におくら、かいわれなどの減少幅が大きいです。

年間カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)

※購買金額が前年比3%以上、購入経験率が0.5ポイント以上減少したカテゴリーを抜粋

 たとえば、おくらは需要が伸びるはずの夏場に前年ほどの販売金額PIに達しなかったことが、年間平均購買金額や購入経験率にも影響しました。一方、かいわれは年間を通じて前年週の販売金額を下回る週が多くなりました。

おくらカテゴリー週別販売金額PI
かいわれカテゴリー週別販売金額PI

 このような生鮮の動向を把握することによって、たとえば調味料メーカーでは、以下のことが考えられます。

①一人当たりの購買金額が大きなカテゴリーとの相性のよい商品が自社にないか検討する。また、現時点では相性がよくなくても提案によって需要が広がる可能性がないか検討する。

 たとえば、舞茸カテゴリーと併買されやすい調味料カテゴリーは鍋つゆなどですが、もしも鍋つゆ等を展開していない場合でも、舞茸に合う調理方法はないか検討することで、需要の拡大が図れるかもしれません。

②季節指数を基に、どの週から提案を強化すればよいのか検討する。

 たとえば、下記はうどカテゴリーの季節指数を示したものです。うどの需要が高い時期はあまり長くありませんが、季節指数が100を超える(=年間平均の金額PIを上回る)時期より、需要が高まると言えます。販売金額PIがピークになる時期は3月になりますが、季節指数が100を上回る1月下旬から早めの仕掛けを展開することも考慮する必要がありそうです。

うどカテゴリー週別販売金額PI季節指数

※前後3週の平均値と年間平均を比較しています

 生鮮と連動した展開をするには、定期的に状況を把握しておく必要がありそうです。ショッパーインサイトでは、今後も定期的に野菜カテゴリーの動向をレポートとして集計していく予定です。

  • ※1 生鮮カテゴリーレポート(野菜編)の詳しい概要はこちらをご覧ください
  • ※2 本稿でのカット野菜は、南瓜・キャベツ・玉葱・ごぼう・妻物以外のカットした生の野菜を対象としており、南瓜、キャベツ、玉葱等は対象外です

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