コラム

拡大が続く豆乳市場の動向 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

拡大が続く豆乳市場の動向 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

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 2017年の豆乳製造量は、前年比8.1%増の33万9,281キロリットルで、過去最高を更新したそうです※1。健康を気遣い、豆乳を常飲する人が増えたこと、また、料理用途に用いられていることが指摘されています※2。それでは、実際に豆乳を購入している人はどのような方なのでしょうか、また、どのような購入の仕方をしているのでしょうか。rsSMデータを用いて分析を行いました。

 豆乳はどのような商品があるのでしょうか。今回は、無調整、調製、豆乳飲料他の3つを、さらに容量ごとに(200ml、500ml、1L)分類しました。主な商品は図表1のとおりです。尚、便宜上200ml未満や330gなどの商品は200mlとして、750mlなどは500mlとして、950mlなどは1Lとして、今回は集計しました。また、PBは今回対象外としています。

図表1主な豆乳商品

 サブカテゴリー別の月別販売金額PIを集計し、前年と比較しました(図表2)。まず、全体では前年を上回る傾向にあり、特に5月から7月にかけて、前年を大きく上回りました。
 サブカテゴリー別に見ると、調製豆乳の伸び率が高いようです。また、日本豆乳協会によると、豆乳飲料は微減したそうですが※1、食品スーパーにおいては、豆乳飲料も前年に比べて増加しました。

図表2月別販売金額PI

 次に、販売金額増加要因を細かく見るため、2016年と2017年のサブカテゴリー別の間口奥行分析を行い、出現率(=期間中来店者のうち1度でも当該商品カテゴリーを購入した人の割合)と購入者1人当たりの金額を集計しました(図表3)。今回は、販売金額構成比の大きな200mlと1Lのみプロットしました。
 すると、多くのサブカテゴリーで前年に比べて出現率が増加しています。つまり、来店者のうち購入する人の割合が増えており、購入者層のすそ野が広がったことが販売金額増加要因につながったと言えます。一方、ライトユーザーが増加したこともあり、1人当たりの購入金額はどのサブカテゴリーも減少しました。

図表3豆乳サブカテゴリー別間口奥行分析(1月~12月)

 それでは、どの性年齢の出現率が高まったのでしょうか。例として、200ml無調整と200ml豆乳飲料他の性年齢別出現率を2016年と2017年で比較しました。
 まず、200ml豆乳飲料他(図表4)ですが、そもそもの出現率が男女ともに若年層ほど高い傾向にあります。出現率の対前年比では、多くの性年齢で前年に比べて増加しましたが、男女ともに40代、50代の増加幅が大きいようです。

図表4性年齢別出現率(200ml豆乳飲料他 1月~12月)

 次に、200ml無調整ですが、出現率は豆乳飲料他ほど高くないものの、どの性年齢も前年に比べて増加しました。男女ともに40~60代の増加幅が大きいです。

図表5性年齢別出現率(200ml無調整 1月~12月)

 購入される性年齢が若干異なることもあり、同時に購入するカテゴリーも異なります。200ml豆乳飲料他購入者が同時に購入するカテゴリーを集計したところ(図表6)、ゼリーやプリン、洋風乾菓子など菓子類との併買率が高く、デザートのような感覚で飲まれているようです。また、即席スープや冷凍惣菜など簡易食材との併買も高く、手軽な食事の際の飲み物として購入されています。

図表6200ml豆乳飲料他 同時併買分析(2018年2月)

※信頼度3.0%以上かつリフト値の高いカテゴリー(飲料は除く)

 一方、200ml無調整購入者が同時に購入するカテゴリーは農産が多く、特にかいわれや地場野菜、生しょうがなどとの併買率が高いです。本稿には掲載していませんが、1L無調整と似たような傾向を示しています。健康志向の方に購入されていることが推測されます。

図表7200ml無調整 同時併買分析(2018年2月)

 今回の分析から以下のことがいえそうです。

  • 食品スーパーにおいても、豆乳全体で好調な推移が続いている。特に調製豆乳の増加幅が大きい。豆乳飲料他も増加した。
  • 間口奥行分析の結果より、出現率が増加したことが主な販売金額増加要因。加えて40~60代の増加率が高い。ただし、1人当たりの金額は前年に比べて減少したことから、新たな購買者へいかに継続して訴求するかが重要
  • 豆乳飲料他購入者は菓子や簡易食材との併買が高く、無調整購入者は農産を同時に購入する傾向。健康意識層に購入されていると推測される。

 しばらくは好調な推移が続くと見られ、同時に購入しやすいカテゴリーとの提案等を行い、確実に顧客を獲得することが重視されるでしょう。

  • ※1 日本豆乳協会ホームページ
  • ※2 日本農業新聞 2018年2月27日

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