コラム

2017年度下半期の購買行動 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

2017年度下半期の購買行動 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

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 株式会社ショッパーインサイトでは、半年に1回食品スーパーマーケットにおける消費者の購買行動をまとめており、このたび2017年10月~2018年3月の食品スーパーマーケット業態 購買行動データを発刊しました※1。今回のコラムでは特に注目される動向をご紹介します。
 まず、来店客1人当たりの2017年10月の平均来店回数、購買金額、購買点数、客単価、1回当たり平均購買点数を整理しました(平均購買金額、客単価は税込)。

2017年10月の購買動向
2017年10月の購買動向

 すると、平均購買点数や1回当たり平均購買点数は前年を上回ったものの、平均来店回数、平均購買金額が前年を下回りました。
 月別の平均来店回数、購買点数の推移を見てみました。すると、来店回数は前年を下回る月が多い一方、平均購買点数はどの月も前年を若干上回りました。来店頻度が減少し、まとめ買いがやや多くなっているようです。

月別購買動向
月別購買動向

 次に、カテゴリー別の上半期の動向を分析し、期間中平均購買金額(1人当たり)や、購入経験率(期間中来店者のうち購入したことのある人の割合)を集計しました。ともに前年を大きく上回ったのが下記のカテゴリーです。惣菜などすぐ食べられる食品への購買が進んでおり、焼売惣菜や和風惣菜他(チキン南蛮、おでんなど)が増加傾向にあります。また、畜産加工品他の多くは「サラダチキン」が占めており、サラダチキンへの需要増加が追い風となり、カテゴリー全体でも金額、購入経験率ともに増加しました。

上半期カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)
上半期カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)

 一方、期間中平均購買金額(1人当たり)や、購入経験率(期間中来店者のうち購入したことのある人の割合)がともに前年を大きく下回ったのは下記のカテゴリーです。ヨーグルト、菓子パンなど若年層からの購入割合が高いカテゴリーの減少傾向が見られます。また、寿司盛合わせは上半期に続いて減少していますが、アニサキス問題が多少尾を引いている可能性が考えられます。

下半期カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)
下半期カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)

 また、本期間は、ホウレン草やニラなど農産を中心に、購買金額は増加したものの、購入経験率が減少したカテゴリーがいくつか見られました。これは、昨年秋の価格高騰を受けて一定層が購入を控えたものの、購入した人は従来と同じ商品を買う場合、前年よりも高価格で購入せざるを得なかったことが推測されます。

下半期カテゴリー別購買動向(購買金額は増加、購入経験率は減少したカテゴリー)
下半期カテゴリー別購買動向(購買金額は増加、購入経験率は減少したカテゴリー)

 さらに、性年齢別の動向を整理しました。年代による購買の違いを見るため、例として近年販売金額が増加している豆苗の期間中購買金額(半年間)と購入経験率(半年間)を、女性の年代別に集計しました。すると、最も購入経験率が高いのは女性30代であることがわかりました。それに加えて、どの世代も前年に比べて購入経験率が高まっており、広い世代に需要が高まっていることが伺えます。今後は購入者にリピートを促す施策が重要と言えます。

豆苗カテゴリーの購買動向
豆苗カテゴリーの購買動向

 一方、年代により異なる傾向を示すカテゴリーもあります。2017年上半期でも取り上げた洋風スパイスの購買金額と購入経験率を年代別に集計しました。すると、購入経験率自体は若年女性の方が高いですが、対前年比は高年代女性の伸び率が高くなっています。高年代女性にも需要が定着しつつあると言え、店頭での展開にも生かす必要がありそうです。

洋風スパイスカテゴリーの購買動向
洋風スパイスカテゴリーの購買動向
  • ※1 2017年下半期 食品スーパーマーケット業態 購買行動データ(月別購買行動編/性年代別購買行動編の詳しい概要はこちらをご覧ください

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