コラム

シニアの購買行動 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

シニアの購買行動 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

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 国立社会保障・人口問題研究所による年齢構造推計によると、2015年時点で75歳以上が13.0%を占め、2025年には20%近くになることが予測されています(図表1)。食品スーパーマーケットにおいても、シニア層の需要を取り込むためには、彼らの購買行動を把握することが重要になります※1。今回はシニア層(本コラムでは70歳以上)の購買特徴を紹介します。

図表1:

 まず、年代によって食品スーパーマーケットの来店頻度や購買単価等が異なるのかを確認しました。今回は30代、50代、70代女性の購買行動を比較しました。結果は、図表2のとおりです。

図表2:

出所:株式会社ショッパーインサイト real shopper SM
real shopper SMの詳しい概要はこちらをご覧ください

 月平均来店回数ですが、70代女性は、30代女性や50代女性に比べて高い傾向にあります。また、30代女性に比べると客単価が高いため月平均の購買金額が高くなっています。50代女性に比べると1回当たりの購買点数が少ないですが、それでも来店頻度が高く、月あたりの購買金額が多い70代女性は食品スーパーマーケットにおいては重要な顧客層であるといえるでしょう。

 次に、70代以上が食品に占める金額構成比を算出しました。結果は、図表3のとおりです。既に70代以上で全食品の20%程度を占めています。特に農産、水産は全体の25%近くを占めています。この割合は今後も高まることが予測され、70代以上が望む売場づくりを強化する必要があるでしょう。

図表3:

出所:株式会社ショッパーインサイト real shopper SM(2015年1月~6月)
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※i-code分類における食品は「調味料、穀物類、乾物類、即席食品」などが該当します。嗜好食品は、「菓子、飲料、酒類」が該当します。

 たとえば、アルコール売場を例にシニア層が望む売場を考えてみましょう。アルコール全体の金額を100とした場合のカテゴリー別金額構成比を算出し、全体と70代以上で比較しました(図表4)。全体での金額構成比の高い順に並べると、新ジャンル、ビール、チューハイ・カクテルの順ですが、70代以上ではビール、清酒、新ジャンルの順になります。
 差の大きなカテゴリーを見ると、70代以上は全体に比べて清酒、焼酎乙類の金額構成比が高いことがわかりました。

図表4:

※アルコール全体の売上を100とした場合の金額構成比を全体と70代以上で算出
出所:株式会社ショッパーインサイト real shopper SM(2015年1月~6月)
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 次に、アルコールで売上が伸びているカテゴリーは全体と70代以上で異なるのか確認するため、カテゴリー別の販売金額(税込)を対前年と比較しました。その結果が図表5です。

図表5:

出所:株式会社ショッパーインサイト real shopper SM(2015年1月~6月 前年:2014年1月~6月)
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 すると、清酒、焼酎甲類、国産ワインは全体では前年販売金額を下回っていますが、70代以上に限定すると上回っています。そのため、70代以上の需要を獲得していくためには、これらのカテゴリーの売場拡大、品揃え強化を検討する必要があるでしょう。

 今後ナレッジコンテンツにおいてもシニアの購買行動の特徴を連載していく予定です。ご期待ください。

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