コラム

SMにおける台風コロッケの動向 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

SMにおける台風コロッケの動向 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

本記事のPDFファイルをダウンロードする

 今年は台風上陸に関するニュースが例年よりも多い気がします。実際、2018年1月~7月までの沖縄地方への接近数は過去数年と比べてもやや多いようです※1。また、7月には、通常とは逆に東から西へと列島を横断する異例のコースをたどった台風に注意が呼びかけられました※2
 そのような中、台風が近づくとインターネット上で「台風が来る前にコロッケを買いこむ」との書きこみが見られます。イオンリテールでは2017年10月に台風21号の接近が予想される四国と本州の「イオン」で、台風の進路予想にあわせて店舗で販売するコロッケを通常より5割多く用意すると発表しました※3
 このような動きは食品スーパーでも見られるのでしょうか。rsSMデータを用いて分析を行いました。

 最近では、8月8日に台風が関東に接近、上陸すると報道されました。そこで、8月8日前後のSMにおけるコロッケ惣菜の販売金額PI(関東地方)を集計しました(図表1)。
 すると、8月8日の販売金額PIは、前日に比べて大きく増加しました。前週の8月1日と比較しても大きく増加していることがわかります。

図表1コロッケ惣菜の販売金額PI(関東地方)
図表1 コロッケ惣菜の販売金額PI(関東地方)

 それではどの性年代が購入したのかを確認するため、8月8日の性年齢別金額構成比を前週の8月1日と比較しました(図表2)。すると、実数ではどの世代も前週に比べて増加しましたが、特に増加幅が大きかったのが男女ともに40-50代でした。同世代の金額構成比が前週に比べて拡大しました。インターネットの情報にも精通しており、なおかつ食品SMの主要顧客層からの購入が促進されたようです。

図表2コロッケ惣菜の性年齢別販売金額構成比(関東)
図表2 コロッケ惣菜の性年齢別販売金額構成比(関東)

 購入された時間帯はいつがピークだったのでしょうか。8月8日と前週の時間帯別販売金額を集計しました(図表3)。すると、昼前の11時頃に一度ピークが来て、その後17時から18時頃に再度販売金額が増加しました。
 しかし、19時以降には急激に販売金額が減少し、前週よりも低くなりました。これは、台風接近に伴い帰宅を急いだ方が多かったこと、店頭で商品が売り切れてしまったことが要因としては考えられます。

図表3コロッケ惣菜の時間帯別販売金額(関東)
図表3 コロッケ惣菜の時間帯別販売金額(関東)

 このように、SMにおいても、台風が近づくとコロッケが通常よりもよく売れる動きが把握できました。インターネットなどで高まりつつある潜在需要を、店頭で実践することが重要であることがうかがえます。
 しかし、他にも台風などの災害が予想される前に用意しておくべき食材はあるはずです。台風コロッケだけではなく、他にも店頭で訴求をして、買い忘れを防いでもらう取組が重要だと言えるでしょう。

  • ※1 沖縄タイムス 2018年7月20日
  • ※2 日本経済新聞 2018年7月28日
  • ※3 毎日新聞 2017年10月20日

本記事のPDFファイルをダウンロードする

ページトップへ