コラム

2018年度上半期の購買行動 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

2018年度上半期の購買行動 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

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 株式会社ショッパーインサイトでは、半年に1回食品スーパーマーケットにおける消費者の購買行動をまとめており、このたび2018年4月~9月の食品スーパーマーケット業態 購買行動データを発刊しました※1。今回のコラムでは特に注目される動向をご紹介します。
 まず、来店客1人当たりの2018年4月の平均来店回数、購買金額、購買点数、客単価、1回当たり平均購買点数を整理しました(平均購買金額、客単価は税込)。

2018年4月の購買動向
2018年4月の購買動向

 すると、平均購買点数や1回当たり平均購買点数は前年を上回ったものの、平均来店回数、平均購買金額が前年を下回りました。
 月別の平均来店回数、平均客単価の推移を見てみました。すると、来店回数は前年を下回る月が多く、特に8月、9月は前年を2ポイント以上下回りました。一方、平均客単価は6月以降増加に転じ、さらに8月、9月は前年を2ポイント以上上回りました。これは、今年の8月、9月は天候不順であったため、来店回数を減らして、まとめ買いする動きが全国的に見られたものと推測されます。

月別購買動向
月別購買動向

 次に、カテゴリー別の上半期の動向を分析し、期間中平均購買金額(1人当たり)や、購入経験率(期間中来店者のうち購入したことのある人の割合)を集計しました。ともに前年を大きく上回ったのが下記のカテゴリーです。生鮮食品や元々購入経験率の高いカテゴリーの購買が進んだことが大きな特徴です。舞茸、もずく、海苔、梅干などがあげられますが、これらはテレビで取り上げられたことで購入が促進されました。
 また、前年天候不順や不漁により購買金額や経験率が減少したキュウリ、生さんまなどが回復しました。畜産加工品他の多くは「サラダチキン」が占めており、引き続き増加傾向にあります。

上半期カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)
上半期カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)

 一方、期間中平均購買金額(1人当たり)や、購入経験率(期間中来店者のうち購入したことのある人の割合)がともに前年を大きく下回ったのは下記のカテゴリーです。じゃが芋、食パンなどは糖質制限を試みている方からの買い控えの可能性が考えられます。シリアルは急激に需要が高まったこともあり、落ち着きが見られます。また、もずくは需要が高まったのに対して、寒天は前年ほどの需要が得られませんでした。

下半期カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)
下半期カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)

 さらに、性年齢別の動向を整理しました。年代による購買の違いを見るため、例として前年同期に比べて大きく平均購買金額、購入経験率が増加したもずくの期間中購買金額(半年間)と購入経験率(半年間)を、女性の年代別に集計しました。すると、元々高年代の方の平均購買金額、購入経験率が高いカテゴリーでしたが、さらに平均購買金額、購入経験率が増加しました。テレビ等の情報により高年代の方からの需要を獲得したと言えます。若年層も需要は増加しており、今後にも期待できそうです。

もずくカテゴリーの購買動向
もずくカテゴリーの購買動向

 一方、年代により異なる傾向を示すカテゴリーもあります。たとえば、トマトは女性80代では購買金額と購入経験率が増加しましたが、女性50代以下では、金額、購入経験率が大きく減少しました。簡便性を求める若年層に即したレシピの提案を考慮する必要がありそうです。

トマトカテゴリーの購買動向
もずくカテゴリーの購買動向
  • ※1 2018年上半期 食品スーパーマーケット業態 購買行動データ(月別購買行動編/性年代別購買行動編の詳しい概要はこちらをご覧ください

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