コラム

2018年度上半期の購買行動 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

2018年度上半期の購買行動 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

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 株式会社ショッパーインサイトでは、2013年の発足以来、食品スーパーマーケットにおける消費者の購買行動を集計しております。これまで直近の前年比を整理したレポートを発刊してきました※1が、今から4-5年前と比べて動向に違いはみられるのでしょうか。今回のコラムでご紹介します。
 最初に、来店客1人当たりの月当たり平均購買金額を対前年月と比較し、時系列で示しました。尚、データは税込です。

来店者1人当たり平均購買金額推移(対前年同月比)
来店者1人当たり平均購買金額推移(対前年同月比)

 すると、消費増税前の2014年3月は対前年同月比+6.4%と大きく増加しましたが、増税後の4月は-2.7%と減少しました。その後2~4%増加の月が続きますが、税込表示のため、3%上回っている場合は、前年並みと解釈できます。
 その後は多少の増減はあるものの、ほぼ前年並みで推移しますが、2018年に入って前年を下回る月が増えています。食品SM以外での購買金額が増えたこと、購入者層の構成比異なりつつあることが要因として挙げられます。

性年齢別全食品金額構成比(各年9月)
性年齢別全食品金額構成比(各年9月

 上記図表は、9月の全食品金額構成比を2014年、2016年、2018年で集計し、比較したものです。すると、2014年、2016年に比べて女性50代以下の構成比が縮小していることがわかります。また、女性60代は2016年には拡大したものの、2018年は縮小に転じました。これは、団塊の世代が2017年に70代となったことが理由として挙げられます。女性70代は2018年には14.9%を占めました。
 一方、男性は徐々に構成比を高めています。女性では減少した40~60代においても、構成比はそれほど変わっていません。男性やシニア層に着目していく必要があることが購買データからも把握できます。

 最後に、カテゴリー別の動向を整理しました。9月における購入経験率(期間中来店者のうち購入したことのある人の割合)、購入者一人当たりの購買金額を集計したものを、4年前、2年前と比べてともに増加した主なカテゴリー、逆にともに減少した主なカテゴリーを抽出しました。
 増加した主なカテゴリーとしては、畜産加工品他(サラダチキンなど)、飲料他(甘酒など)があげられます。一時的に需要が拡大したわけではなく、購入者の裾野を広げつつ、購買金額も増加していることがわかります。チューハイ・カクテルは若年層向けの商品による需要活性化、高アルコール商品の投入などにより、市場が拡大していると言えそうです。

購入経験率、購入者一人当たりの購買金額が増加した主なカテゴリー
出現率、購入者一人当たりの購買金額が増加した主なカテゴリー

 一方、減少した主なカテゴリーとしては、竹輪、蒲鉾などの練物や、ウィンナーなどがあげられます。現状のままではさらなる減少が避けられないため、業界全体での市場活性化、現状であまり購買していない層へのトライアル促進が重要です。

購入経験率、購入者一人当たりの購買金額が増加した主なカテゴリー
出現率、購入者一人当たりの購買金額が増加した主なカテゴリー

 人口減少、少子高齢化、ネットショッピング利用者の増加など、食品SMを取り巻く環境が変動しており、購買行動にも徐々に変化が見られています。今後もショッパーインサイトでは定期的に来店者の購買動向を把握し、皆様に情報を提供してまいります。2018年のコラムは今回が最後です。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

  • ※1 食品スーパーマーケット業態 購買行動データ(月別購買行動編/性年代別購買行動編)の詳しい概要はこちらをご覧ください

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