コラム

2018年度上半期の購買行動 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

2018年度上半期の購買行動 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

本記事のPDFファイルをダウンロードする

 株式会社ショッパーインサイトでは、年に1回生鮮カテゴリーレポート(野菜編)をまとめ、野菜カテゴリーにおける消費者の購買行動を明らかにしています。このたび2018年1月~12月の購買行動データを集計しました※1。今回のコラムでは特に注目される動向をご紹介します。
 最初に、野菜カテゴリー、野菜加工品カテゴリー全体における、購入者一人当たりの年平均購買回数、購買金額、期間中購入経験率(期間中来店者のうち当該カテゴリーを購入した人の割合)を集計しました(平均購買金額は税込)。
 すると、野菜では購入経験率はほぼ前年並みですが、年平均購買金額が増加しました。野菜加工品は購入経験率が増加しただけではなく、購入者一人当たりの回数、金額も前年を上回りました。

2018年1月-12月の購買動向
2018年1月-12月の購買動向

 次に、カテゴリー別の年間の動向を分析し、年平均購買金額(一人当たり)や、期間中購入経験率を集計しました。2017年はともに大きく上回ったカテゴリーがわずかでしたが、2018年は舞茸やキュウリを初めとして、多くのカテゴリーが共に大きく増加しました。

年間カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)
年間カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)

※購買金額が前年比5%以上、購入経験率が0.5ポイント以上増加したカテゴリーを抜粋

 豆類水煮の週別販売金額PIを前年と比較したところ、多くの週で前年を上回りました。特に、テレビで取り上げられた8月6日週、12月3日週などに大きく販売金額PIが増加したことがわかります。

豆類水煮カテゴリー週別販売金額PI
豆類水煮カテゴリー週別販売金額PI

 舞茸は2017年に続いて増加傾向を示しています。前年を上回る週が多く、特に需要が増加する秋以降に大きく前年を上回りました。

舞茸カテゴリー週別販売金額PI
舞茸カテゴリー週別販売金額PI

 一方、年平均購買金額(一人当たり)や、期間中購入経験率がともに前年を大きく下回ったのは下記のカテゴリーです。じゃが芋、春菊などがあげられます。

年間カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)
年間カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)

※購買金額が前年比5%以上、購入経験率が0.3ポイント以上減少したカテゴリーを抜粋

 じゃが芋は春季の金額PIが前年を下回ったことが、年間を通した金額PI低下につながりました。さらに期間中購入経験率も前年を下回りました。糖質を気にする消費者が買い控えたのでしょうか。

じゃが芋カテゴリー週別販売金額PI
じゃが芋カテゴリー週別販売金額PI

 このような生鮮の動向を把握することによって、

①一人当たりの購買金額が大きなカテゴリーとの相性のよい商品が自社にないか検討する
②季節指数を基に、どの週から提案を強化すればよいのか検討する

 といった活用例が考えられます。また、通常であれば提案を行うべきカテゴリーが天候不順等により需要が伸びなった場合の代替案を考えるのに役立ちます。たとえば、比較的需要が安定しているもやしを代替カテゴリーとして別途提案を行う、といったことが考えられます。

もやしカテゴリー週別販売金額PI季節指数
もやしカテゴリー週別販売金額PI季節指数

※前後3週の平均値と年間平均を比較しています

 生鮮と連動した展開をするには、定期的に状況を把握しておく必要があります。今後も定期的に野菜カテゴリーの動向をレポートとして集計していく予定です。

  • ※1 生鮮カテゴリーレポート(野菜編)の詳しい概要はこちらをご覧ください

本記事のPDFファイルをダウンロードする

ページトップへ