コラム

消費増税時の購買行動(2014年4月増税時の動向) 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

消費増税時の購買行動(2014年4月増税時の動向) 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

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 2019年10月には、消費税が8%から10%に増税されることが予定されています。そのため、食品スーパーにおいても、9月の駆け込み需要や10月の買い控えが予想されます。それでは、増税の影響を大きく受けやすいカテゴリー、それほど影響を受けにくいカテゴリーはどのようなものがあげられるのでしょうか。
 株式会社ショッパーインサイトでは、半年に1回食品スーパーマーケットにおける消費者の購買行動をまとめています。今回は前回増税が行われた2014年4月時の影響を見るため、2014年4月に発刊した食品スーパーマーケット購買実態データ2014年上半期版より、主な結果をご紹介します。尚、通常4月~9月のデータを収集していますが、2014年上半期版に限り、3月~9月のデータを収集しました。

 まず、2014年3月から9月にかけての、食品スーパー全体の利用動向を集計し、前年同月と比較しました(図表1)。尚、金額は全て税込表記です。

図表1月別食品スーパー利用動向
月別食品スーパー利用動向

 消費増税直前の2014年3月ですが、1チェーン当たりの平均来店回数は5.9回(対前年比98.4%)と前年を下回りました。一方で、平均客単価は税込2,263.8円(対前年比108.1%)、1回当たり平均購買点数は11.1点(対前年比102.7%)と大きく前年を上回りました。やはり、増税前の駆け込み需要が多かったようです。
 増税後の2014年4月には、平均来店に回数は5.6回(対前年比96.6%)、平均客単価は2,080.7円(対前年比100.7%。税込のため実質前年よりもマイナス)、1回当たり平均購買点数は10.7点(97.6%)と反動が見られます。
 5月以降は、平均来店回数が減少している一方、平均客単価が対前年比104%以上となっています。そのため、来店回数を減らすことで想定していなかった商品の購買を控える、またはより安価な価格で販売している店舗の使い分けなどを行っていることが想定されます。

 次に、カテゴリー別に集計しました。消費増税前の駆け込み需要が多かったカテゴリーは、食用油、醤油、味噌、マヨネーズなどの調味料と調理パンでした。

図表2駆け込み需要が多かったカテゴリー
駆け込み需要が多かったカテゴリー

 上記のカテゴリーは、期間中購入経験率(期間中来店者のうち、当該カテゴリーを購買した人の割合)が対前年同月を上回っただけではなく、月平均購買点数も大きく上回りました。比較的保存期間が長い調味料系が買いだめされるのは予想されますが、調理パンも直前に購買されていたようです。ただし、調理パンは点数が増えたものの、金額がそれほど変わりませんでした。比較的安価な商品を例年よりも多く買う消費者が多かったようです。

 それでは、買いだめされたカテゴリーはいつ頃より需要が回復するのでしょうか。本コラムではマヨネーズを例にとり、3月から9月までの月平均購買金額、購買点数、期間中購入経験率の推移を集計しました(図表3)。

図表3マヨネーズカテゴリーの月別購買動向
マヨネーズカテゴリーの月別購買動向

 すると、購入経験率は4月、6月に大きく前年を割っており、3か月程度は増税による買い控えが見られました。また、7月以降は1人当たりの月平均購買点数は大きく変わっていないものの、月平均購買金額が下がりました(税込のため実質前年よりもマイナス)。そのため、従来商品の特売日を狙って購入する、または、従来よりも安価な商品、小容量の商品へとスイッチした可能性があります。その意味では、増税の影響は半年近く続くカテゴリーもあると言えそうです。

 株式会社ショッパーインサイトでは、各カテゴリーの詳しい動向を、2014年上半期 食品スーパーマーケット業態 購買行動データでまとめております。今年10月の増税時に備えて前回の動向をご覧になりたい方は、ご相談ください。
 また、過去のデータも商品単位で蓄積しております。詳しいレポートにご興味がある方は、こちらにお問い合わせください。

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