コラム

2019年度上半期の購買行動 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

2019年度上半期の購買行動 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

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 株式会社ショッパーインサイトでは、半年に1回食品スーパーマーケットにおける消費者の購買行動をまとめており、このたび2019年4月~9月の食品スーパーマーケット業態 購買行動データを発刊しました。今回のコラムでは特に注目される動向をご紹介します。
 まず、来店客1人当たりの2019年4月の平均来店回数、購買金額、購買点数、客単価、1回当たり平均購買点数を整理しました(平均購買金額、客単価は税抜)。平均客単価を除いて前年を下回りました。

2019年4月の購買動向
2019年4月の購買動向

 月別の平均来店回数、平均客単価の推移を見てみました。すると、来店回数は8月までは前年を下回り、9月は前年を上回りました。これは、消費増税前に一部駆け込み需要で来店回数が増えたショッパーが多かったことが推測されます。一方、平均客単価(税抜)は、前年を上回る月が多くなりました。9月は来店回数は増えたものの、平均客単価は若干ですが減少しました。

月別購買動向
月別購買動向

 次に、カテゴリー別の上半期の動向を分析し、期間中平均購買金額(1人当たり)や、購入経験率(期間中来店者のうち購入したことのある人の割合)を集計しました。ともに前年を大きく上回ったのが下記のカテゴリーです。生鮮ではサーモン刺身、ボイルほたてなどが前年を上回りました。カニカマは前回のコラムで取り上げたとおり、2018年9月にテレビで取り上げられて以降、好調に推移しています。
 調味料ではコショウや唐辛子が前年の購買金額、購入経験率をともに上回りました。最近、外食などで激辛ブームが見られていますが、家庭でも同様の傾向が見られているのかもしれません。その他生・ゆで麺はこんにゃく麺等が該当しますが、近年の糖質オフブームにより、需要が増加していると考えられます。

上半期カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)
上半期カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)

 一方、期間中平均購買金額(1人当たり)や、購入経験率(期間中来店者のうち購入したことのある人の割合)がともに前年を大きく下回ったのは下記のカテゴリーです。生さんまは、前年は好調でしたが、今年は不漁のため購買金額、購入経験率が大きく減少しました。

下半期カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)
下半期カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)

 さらに、性年齢別の動向を整理しました。年代による購買の違いを見るため、例として前年同期に比べて大きく平均購買金額、購入経験率が増加したその他生・ゆで麺の期間中購買金額(半年間)と購入経験率(半年間)を、女性の年代別に集計しました。尚、今回版より90代の動向も集計しています。
  すると、購入経験率が高いのは40代、50代など糖質を気にする割合が高い世代でした。さらに、20代、30代も前年に比べて購入経験率が増加しており、若年層の購買が継続されれば、存在感を増すカテゴリーになりそうです。

その他生・ゆで麺カテゴリーの購買動向
その他生・ゆで麺カテゴリーの購買動向

 一方、前年同期に比べて大きく平均購買金額、購入経験率が減少した生さんまの期間中購買金額(半年間)と購入経験率(半年間)も、女性の年代別に集計しました。すると、全体的に購買金額、購入経験率が減少していますが、特に主要購入者層の50代、60代の減少幅が大きいことがわかります。変わりに肉を買ったのか、鮮魚の別のカテゴリー、たとえば好調だったサーモンなどにスイッチしたのか、といったことも把握しておく必要がありそうです。購入カテゴリーをスイッチすると、調味料など、生鮮以外のカテゴリーにも影響を及ぼす可能性があり、今後の状況を把握しておく必要があるでしょう。

生さんまカテゴリーの購買動向
生さんまカテゴリーの購買動向
  • ※ 2019年上半期 食品スーパーマーケット業態 購買行動データ(月別購買行動編/性年代別購買行動編の詳しい概要はこちらをご覧ください

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