コラム

食品スーパーマーケットの中期的動向 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

食品スーパーマーケットの中期的動向 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

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 いちごの価格が例年よりも高く、クリスマス市場への影響がテレビや新聞等で取り上げられました。実際にはどのような影響があったのでしょうか。rsSMデータを用いてその特徴を分析しました。また、昨年はクリスマスイブが平日だったこともあり、クリスマスに需要が伸びるカテゴリーの状況も併せて分析しました。

 最初に、食品スーパーにおけるいちごカテゴリーの週別平均価格を集計し、前年同週と比較しました(図表1)。2019年10月以降前年を上回る週が続き、クリスマス周辺も前年を上回りました。

図表1いちごカテゴリー 週別平均価格(税抜)
いちごカテゴリー 週別平均価格(税抜)

 それではクリスマスにはどのような販売動向だったのでしょうか。12月22日~24日の主要果物カテゴリーの点数PIを集計し、前年同日と比較しました(図表2)。価格高騰の影響もあり、いちごの点数PIは対前年比88.5%となりました。一方、バナナやりんごは前年同日を大きく上回りました。

図表2主要果物カテゴリー 点数PI
主要果物カテゴリー 点数PI

 それでは、昨年いちごを買ったのに今年は買わなくなったショッパーは、変わりに何を購買したのでしょうか。いちごをはじめとした主要果物とカテゴリーと、クリスマスケーキに用いられる主なカテゴリー間のカテゴリー別流出入差を集計しました(図表3)。
 すると、同期間中に好調だったバナナやりんごへの流出が大きいようです。必ずしもケーキ作りをいちごからバナナやりんごに変えた、という訳ではありませんが、一定層のスイッチは見られたものと推測されます。また、チョコレートへの流出も見られました。

図表3クリスマス期間中のカテゴリー流入出差(点数)
クリスマス期間中のカテゴリー流入出差(点数)

※1期:2018年12月22-24日、2期:2019年12月22-24日

 また、今年のクリスマスイブは平日だったこともあり、購買するカテゴリーに影響があるものと思われます。そこで、前々年、前年に比べて点数PIが増加した主なカテゴリー、減少した主なカテゴリーを抜粋しました(図表4、図表5)。
 増加したカテゴリーは、串焼惣菜、焼魚惣菜など、クリスマスにはそれほど関連性のないカテゴリーでした。一方、減少したカテゴリーはローストチキン惣菜、行事菓子、輸入ワインなどクリスマスに関連のあるカテゴリーでした。

図表4点数PIが増加した主なカテゴリー
点数PIが増加した主なカテゴリー
図表5点数PIが増加した主なカテゴリー
点数PIが増加した主なカテゴリー

 2019年は12月24日が平日だったこともあり、いつも通りの食事をした方々が多かったのかもしれません。また、少子高齢化の影響も考えられます。2020年の12月24日は木曜日です。今後もクリスマス時の購買カテゴリーに影響があるのか、定期的に集計していきます。

余談

 昨年のM1グランプリの中で、コーンフレークが取り上げられ、ツイッターなどで話題となりました。その後、お客様との会話の中でどのくらい売上は伸びたのでしょうか?という質問を何回かいだたいので、早速集計してみました。

主要コーンフレーク日別トレンド
主要コーンフレーク日別トレンド

※i-code「シリアル」のうち、商品名に「コーン」「フレーク」などと記載されている商品の合算

 前年同週と比較すると、テレビ放映後は前週を上回る日が多く、点数ベースだと前週比125%となりました。以前ご紹介したコラムでの増加ほどではありませんが、一定の反響が見られたようです。

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