コラム

生鮮の購買行動(2019年1-12月) 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

生鮮の購買行動(2019年1-12月) 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

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 株式会社ショッパーインサイトでは、年に1回生鮮カテゴリーレポートをまとめ、各生鮮カテゴリーにおける消費者の購買行動を明らかにしています。このたび2019年1月~12月の購買行動データを発刊しました(今回より、畜産編と水産編を新たに発刊しました)※1。今回のコラムでは特に注目される動向をご紹介します。
 最初に、各生鮮カテゴリー全体における、購入者一人当たりの年平均購買回数、購買金額、期間中購入経験率(期間中来店者のうち当該カテゴリーを購入した人の割合)を集計しました(平均購買金額は税抜)。
 すると、全てのカテゴリーで期間中購入経験率が前年を下回りました。特に野菜加工品や鮮魚の減少幅が大きいです。また、野菜加工品は年平均購買回数、平均購買金額も前年を下回りました。購入者の頻度自体が減少しており、課題が大きいと言えます。
 一方、刺身類は、年平均購買回数、平均購買金額が前年を上回りました。

2019年1月-12月の購買動向
2019年1月-12月の購買動向

 次に、レポートではi-code分類4の年平均購買⾦額(⼀⼈当たり)や、期間中購入経験率等を集計しました。本コラムでは、新たに集計を開始した水産カテゴリーの動向をご紹介します。
 下記図表は、前年に比べて購買金額、購入経験率が共に増加した主なカテゴリーです。ボイルほたてや、サーモン刺身などが該当しました。

年間カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)
年間カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)

※購買金額が前年比5%以上、購入経験率が0.5ポイント以上増加したカテゴリーを抜粋

 一方、前年に比べて購買金額、購入経験率が共に減少したカテゴリーには、さんま切身、生さんま、さんま刺身が該当しました。昨年の記録的な不漁が影響したようです。

年間カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)
年間カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)

※購買金額が前年比5%以上、購入経験率が0.5ポイント以上減少したカテゴリーを抜粋

 またレポートでは各カテゴリーの週別販売金額PIを集計しています。例として、前年に比べて好調に推移したサーモン刺身の週別金額PIの結果をご紹介します。同カテゴリーは、全ての週で前年を上回る金額PIとなりました。刺身類全体でも堅調に推移しましたが、そのプラス要因の1つと言えそうです。

サーモン刺身カテゴリー週別販売金額PI
サーモン刺身カテゴリー週別販売金額PI

 さらに、季節指数も集計しました。下記はサーモン刺身の季節指数ですが、最も需要が高まるのは年末です。さらに、2月下旬、5月上旬、8月、10月などにも需要が高まりました。サーモン刺身と相性のよいカテゴリーを持つ企業担当者は、この需要が高まる時期を正確に把握しつつ、適切な提案を行う必要があるでしょう。

サーモン刺身カテゴリー季節指数
サーモン刺身カテゴリー季節指数

※前後3週の平均値と年間平均を比較しています

 このような生鮮の動向を把握することによって、
①一人当たりの購買金額が大きなカテゴリーとの相性のよい商品が自社にないか検討する
②季節指数を基に、どの週から提案を強化すればよいのか検討する

 といった活用例が考えられます。また、通常であれば提案を行うべきカテゴリーが天候不順等により需要が伸びなった場合の代替案を考えるのに役立ちます。たとえば、比較的需要が安定している他の生鮮を代替カテゴリーとして別途提案を行う、といったことが考えられます。

 生鮮と連動した展開をするには、定期的に状況を把握しておく必要があります。今後も定期的に各カテゴリーの動向をレポートとして集計していく予定です。

  • ※1 生鮮カテゴリーレポートの詳しい概要はこちらをご覧ください

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