コラム

続・新型コロナウイルス感染拡大による食品スーパーへの影響

続・新型コロナウイルス感染拡大による食品スーパーへの影響

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 3月5日のコラムでは、2月下旬に全国すべての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について休校の要請が出されたため、その翌日の金曜日から日曜日までの動向をご紹介しました。その後、4月には非常事態宣言が出され、さらに残念ながらゴールデンウイーク後も一部の都道府県で緊急事態宣言が延長されました。
 このような状況の中、3月から4月にかけて、食品スーパーでは従来とは大きく異なる購買行動が見られています。そこで、前回のコラム以降の動向に関して、rsSMデータを用いて確認しました。
 最初に、週別の来店人数(週に1度でも来店した人数)を集計し、前年同週と比較し、指数化しました(図表1)。すると、4月6日週までは前年を上回る週が多かったものの、4月13日週、20日週前年を下回りました。食品スーパーでの三密が懸念されたり、3日に1回程度の買物が呼びかけられたことが影響しているようです。一方、4月27日週には前年を上回りました。前年は大型連休だったため外出する人が多かったものの、今年は自宅にいる人が多かったことが影響しているようです。

図表1週当たり来店人数指数
週当たり来店人数指数

※来店人数はカード会員のみの数値です。2019年の来店人数を100として指数化。

 次に、来店者1人当たりのバスケット単価を集計しました(図表2)。すると、どの週も前年を上回りましたが、4月はより増加幅が拡大しました。自宅で食事をとることが増えた点、また上述したように来店頻度を減らした点が理由として考えられ、まとめ買いが行われました。

図表2来店者1人当たりバスケット単価
来店者1人当たりバスケット単価

 次に、来店時間帯に違いがなかったか、全食品の時間帯別点数構成比を今年と前年同期で比較しました(図表3)。すると、午前中や午後の構成比が高まり、夕方以降の構成比が低下しました。在宅勤務の人が増えている点、夕方以降の混みあう時間帯をさける人が多いことが影響しています。

図表3時間帯別点数構成比(平日)
時間帯別点数構成比(平日)

 夕方から夜間の構成比が高い酒類カテゴリーに限定しても同様の傾向が見られました(図表4)。

図表4酒類カテゴリー(i-code分類2)時間帯別点数構成比(平日)
酒類カテゴリー(i-code分類2)時間帯別点数構成比(平日)

 カテゴリー別の動向も例をあげてご紹介します。多くのカテゴリーで前年を上回る状況が続いていますが、特に増加幅が大きかった穀物類の主要カテゴリー(i-code分類4)の点数PIを集計し、前年同週と比較しました(図表5)。多くのカテゴリーで週を追うごとに点数PIの前年比が増加しており、特に洋風ミックス粉は前年比200%を上回る状況が続いています。また、包装餅は従来であれば4月頃より需要が低下しますが、今年は堅調な推移となりました。

図表5点数PI対前年比
点数PI対前年比

 ゴールデンウイークの状況も見ておきましょう。昨年は改元に伴う大型連休で刺身盛合せなどが前年同期を上回りました。また、従来ゴールデンウイークは、惣菜の盛合せや高価格帯の食材の需要が高まる傾向にあります。
 そこで、主な高価格帯食材の日別点数PIを集計し、前年同日と比較しました(図表6)。すると、刺身や惣菜の盛合わせは前年を下回る日が続きました。やはり、里帰りなど多くの人が集まる機会がなかったため、前年ほどの需要を得られなかったのかもしれません。一方、和牛ステーキ・カツ用、和牛焼肉用は堅調な推移を示しました。生ものを避けた消費者からの購買が進んだ可能性があります。

図表6ゴールデンウイーク期間中の日別点数PI前年比
ゴールデンウイーク期間中の日別点数PI前年比

 今月末まで緊急事態宣言が続く地域もあり、残念ながらいつもどおりの生活に戻るにはまだ時間がかかりそうです。一刻も早いウイルスの沈静化、そしていつも通りの食品スーパーでの購買行動に戻る日を願います。

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