コラム

ウィズコロナ下での食品スーパーの販売動向

ウィズコロナ下での食品スーパーの販売動向

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 これまで株式会社ショッパーインサイトでは、3月5日のコラム、5月12日のコラムにおいて、コロナ禍での食品スーパーへの影響を紹介してきました。夏を過ぎ9月に入ろうとしていますが、残念ながら新型コロナウイルスの感染が続くため、ウィズコロナ下での経済活動が求められています。
 このような状況の中、6月以降も食品スーパーでの販売動向は、これまでと大きな違いが見られています。そこでrsSMデータを用いて、来店者の動向や盆期間の動向、消費者の意識と実際の行動等を分析しました。
 最初に、食品スーパーへの来店時間の変化をご紹介します。5月のコラムでは来店時間帯が早まっているという集計をご紹介しましたが、6月以降はどのようになっているでしょうか。6月、7月の来店時間帯別点数構成比を前年と比較しました(図表1)。

図表1時間帯別点数構成比(来店者全体)
時間帯別点数構成比(来店者全体)

 すると、前年に比べて午前中の構成比が高まり、18時以降の構成比が低下しました。依然として在宅勤務を継続している方がいる点、混みあう時間帯をさける人が多いことが理由としてあげられます。

図表2時間帯別点数構成比(男性40~50代)
時間帯別点数構成比(男性40~50代)

 図表2は、男性40~50代に限定して集計した時間帯別点数構成比です。来店者全体と同様に来店時間帯が早まっています。特に、17時~18時台の構成比が高まっている一方、20時以降の構成比が低下しています。在宅勤務を継続している企業が見られることから、当面この状況は続くものと言えるでしょう。

 次にお盆期間の販売動向を分析しました。今年はコロナ禍のため帰省を控える動きが見られました。そのため、通常この時期には販売点数・金額が増加する高価格帯のカテゴリー、盛り合わせ商品は需要が減少するのではないかと考えました。そこで実際の例として、今回は刺身盛り合わせカテゴリーと本まぐろ刺身カテゴリーの前年同日と比較した動向をご紹介します(図表3、図表4)。

図表3刺身盛り合わせカテゴリー 日別点数PI
刺身盛り合わせカテゴリー 日別点数PI
図表4本まぐろ刺身カテゴリー 日別点数PI
本まぐろ刺身カテゴリー 日別点数PI

 すると、曜日の関係で日別では多少増減があるものの、1週間平均では刺身盛り合わせ、本まぐろ刺身はともにほぼ前年並みの点数PIであることがわかりました。例年よりも帰省者が少ない状況でも、高価格帯カテゴリーへの需要はそれほど低下していないようです。また、外食を控えて自宅でおいしいものを食べる、という選択をした人も一定層いるようです。

 ただし、金額PIで集計すると、点数PIとは異なる傾向が見られました(図表5、図表6)。

図表5刺身盛り合わせカテゴリー 日別金額PI
刺身盛り合わせカテゴリー 日別金額PI
図表6本まぐろ刺身カテゴリー 日別金額PI
本まぐろ刺身カテゴリー 日別金額PI

 本まぐろ刺身はほぼ前年並みですが、刺身盛り合わせは1週間平均で前年比88.0%でした。点数PIがほぼ変わらないものの、金額PIが大きく減少した理由の1つとしては、例年ほど人が集まらないので容量が多くないものを購買していることが挙げられます。

 年末年始に関しても、帰省を断念する人が多いことが予想されます。そのため、通常の年末年始で需要が高い大容量商品や、各種盛り合わせへの需要は低下するでしょう。ただし、高単価への商品への需要はお盆時期のように期待できることから、高単価小容量商品への需要が高まるのではないかと考えられます。

 最後に、今後のコロナ禍での食生活への動向を考えたいと思います。弊社では、3回にわたってコロナ禍での食品購買行動を調査、実施予定です。5月に第1回調査を行いましたが、免疫力アップを目的に食べたメニューでは、ねばねば食材と回答した人の割合が非常に高く、特に女性60代では全体の70%近くが回答しました。

 そこで、実際の購買行動の結果を見てみました。図表7は長芋カテゴリーの週別販売点数PIを前年同週と比較したもの、図表8は女性60代に限定した動向です。

図表7長芋カテゴリー週別販売点数PI
長芋カテゴリー週別販売点数PI
図表8長芋カテゴリー週別販売点数PI(女性60代)
長芋カテゴリー週別販売点数PI(女性60代)

 すると、6月以降すべての週で前年のPI値を大きく上回る状況が続いています。特に女性60代の前年と比較した増加幅は大きいことから、実際の意識が購買行動に結びついていると言えるでしょう。

 ただし、第1回調査は5月時点に実施したものであり、刻一刻と状況が変わる中では、当時と異なる意識を持っている可能性もあることから、意識の変化をいち早くつかんでいく必要があります。

  • ※コロナ禍の食品購買行動調査は、調査への協賛社を募集しております。詳細につきましてはお問い合わせください。

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