コラム

チアシードの購買動向 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

チアシードの購買動向 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

本記事のPDFファイルをダウンロードする

 スーパーフードに対する関心が高まっています。スーパーフードとは、一般社団法人日本スーパーフード協会の定義によると、栄養バランスに優れ、一般的な食品よりも栄養価が高く、料理の食材としての用途と健康食品としての用途を併せ持つものとされています※1。SMBCコンサルティングが発表した2015年ヒット番付にも、「スーパーフード」が入りました※2
 そのため、食品スーパーマーケットにおいても、スーパーフードまたはスーパーフードを含む食品の取り扱いが増えつつあります。今回のコラムでは、日本スーパーフード協会がプライマリースーパーフード10にあげた素材のうち、昨年大きく販売金額が増加したチアシードを取り上げ、rsSMデータを用いて2015年の販売動向と今後の方向性を予測します。

 まず、食品スーパーではどのような商品が販売されているのでしょうか。主なチアシード商品を下記に整理しました。

主なチアシード商品

 チアシードは、キャンディやグミ、ビスケットなどお菓子類、飲料とチアシード素材そのもの(i-codeでは農産乾物_他に分類)の販売が見られます。また、rsSMは食品スーパーマーケットの購買履歴データのため、サプリメント類の金額はあまり高くありません。

 チアシードのカテゴリー別の月ごとの販売金額PIを下記に集計しました。2015年3月頃より本格的に販売金額が高まりつつあり、7月には金額PIが150を超えました。その後も着実に金額が増加傾向にあります。
 カテゴリー別では農産乾物_他と果実飲料の構成比が高いです。農産乾物_他は金額PIが増加傾向にありますが、茶系飲料は春夏頃の勢いがみられません。変わって、グミやキャンディなどのお菓子類が増加しつつあります。

カテゴリー別金額PI

 次に、チアシード食品を購入している人はどの世代が多いのでしょうか。女性の年代別(20-30代女性、40-50代女性、60-70代女性)金額PIを集計しました。

年代別金額PI

 すると、3月の時点で20-30代女性だけではなく、40-50代女性からの購入も多かったようです。10月以降は40-50代女性と20-30代女性の金額PIの差が開きつつあります。また、60-70代女性は若い世代に比べるとそれほど購入されていませんが、徐々に金額PIが高まりつつあるようです。

 若年層の女性だけではなく、中高年まで購入されていることが確認できました。それでは、素材のチアシードを購入している人は、他の飲料やお菓子類も購入しているのでしょうか。それを明らかにするため、購入者重複分析を行いました。

購入者重複分析(2015年10月〜12月)

 その結果によると、2015年10月~12月に、何らかのチアシードの素材(農産乾物_他)を購入した5,686名のうち、キャンディを購入した人は0.9%、一番多かった果実飲料でも1.4%に過ぎなかったことがわかりました。これより、素材と、飲料・菓子では購入者が異なることがわかりました。チアシードを調理等に用いる人は農産乾物を購入し、手軽に摂取したいと思った人は菓子や飲料を購入する、といった購買行動が推測されます。

 その傾向は以下のことからもわかります。下記は、果実飲料または農産乾物を購入した際の同時併買分析の結果を集計したものです。

同時併買分析

 果実飲料購入者は、調理パン、即席スープ、冷凍総菜など、簡易食材との併買が高いです。また、飲料との併買も高いです。一方、農産乾物は、ナチュラルチーズやヨーグルトなどの乳製品、ドレッシング、鍋つゆ、食用油などの調味料との併買が高いです。一緒に簡単に食べられる食材を購入するチアシード入り果実飲料ユーザーに対して、一緒に調理に用いる食材を購入する、またはまとめ買いを行うチアシード乾物ユーザーでは、購買行動が異なるようです。
 また、チアシード乾物ユーザーは一緒に食用油を購入する傾向が見られましたが、一緒に買っている油を商品まで確認すると、アマニ油やココナッツオイルなど機能性油との併買傾向がみられています。

 チアシード関連商品は当面安定した販売が見込めますが、一時的な需要にとどめさせないためにも、トライアルユーザーにさらに購入してもらうためのレシピの提案などがより重要になるでしょう。

  • ※1.一般社団法人日本スーパーフード協会ホームページ
  • ※2.SMBCコンサルティングホームページ

本記事のPDFファイルをダウンロードする

ページトップへ