コラム

機能性表示食品制度から1年 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

機能性表示食品制度から1年 株式会社ショッパーインサイト 主任コンサルタント 矢野尚幸

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 2015年4月より、機能性表示食品制度が開始しました。この制度開始による可能性は、以前のコラムで紹介しました。表示制度が開始してから約1年が経ち、店頭には様々な機能が表示された食品が販売されています。現在、消費者庁に届け出ている主な商品は以下のとおりです※1。飲料やヨーグルト、さらには生鮮食品の届け出も見られます。

 本コラムでは、生鮮食品で表示をつけた大豆イソフラボン子大豆もやしと、飲料で表示をつけたカゴメトマトジュースを例に、機能性表示が購買に与えた影響を、rsSMデータを用いて明らかにします。

サラダコスモ「大豆イソフラボン子大豆もやし」の例

 本商品は、2015年10月7日より機能性表示食品として販売を開始しました。 機能性関与成分として「骨を健康に保つ機能」がある「大豆イソフラボン」を含んでいます。
 最初に、大豆イソフラボン子大豆もやしの週別販売点数を分析しました。すると、発売を開始した10月7日週には、全週よりも1.2倍売上が増加しました。その後も安定した売上推移となっており、前年と比較しても好調な推移です。10月7日から4週間での購入者は9,942名で、前年同期の6,816名よりも大きく増加しました。機能性表示によって裾野を広げたといえます。

 さらに、2014年10月8日から4週間、2015年10月7日から4週間、3回以上購入した人の食用油金額シェアを集計し、2014年との違いを確認しました。すると、2015年に3回以上購入した人は、2014年の購入者に比べて、えごま、アマニ、ココナッツなどを好んで購入する傾向が高いことがわかりました。これより、裾野を広げただけではなく、健康志向のショッパーから購入されたことが伺えます。

食用油金額シェア(分析期間:8月〜10月)

カゴメ「トマトジュース」の例

 本商品は、2016年2月2日より、「血中コレステロールが気になる方に」と新たに表示して販売を開始しています。出荷実績が前年を大きく上回っていることがニュースリリースにより紹介されました※2。実際、rsSMデータにおいても、食塩無添加720mlが前年同期の1.8倍、スマートペット720mlが1.4倍に販売点数が増加しています。

カゴメトマトジュース食塩無添加720ml トレンド分析
カゴメトマトジューススマートペット720ml トレンド分析

 次に性年齢別の購入出現率(期間中来店者のうち、1度でも上記2品を購入した方の割合)を集計し、前年同期と比較しました。すると、どの世代でも割合が高まっていますが、男性、女性ともに50代~70代の増加率が高く、機能性表示により購買が促進されたといえます。

購入出現率

 両商品ともに、発売直後から好調な推移を示しており、機能性表示による購買促進が見られました。他の商品も同様の傾向が見られたか、今後もご紹介していきます。

  • ※1.消費者庁ホームページより
  • ※2.カゴメ株式会社2016年2月22日ニュースリリースより

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