コラム

2020年度下半期の購買行動

2020年度下半期の購買行動

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 株式会社ショッパーインサイトでは、半年に1回食品スーパーマーケットにおける消費者の購買行動をまとめており、このたび2020年10月~2021年3月の食品スーパーマーケット業態 購買行動データを発刊しました※1。昨年は新型コロナウイルス蔓延に伴い、食品スーパーにおいても、従来とは大きく異なる購買行動が見られました。今回のコラムでは特に注目される動向をご紹介します。

 最初に、月別の平均来店回数、平均客単価、平均購買金額の推移を集計しました。以前のコラムでご紹介しているとおり、平均来店回数は前年を下回る傾向が続いています。これは、コロナ禍において、食品スーパーへの来店を控える動きが続いているからです。一方、平均客単価は前年を5%以上上回る月が続いており、1回当たりの購買金額を増やす傾向が続いていました。その結果、来店者1人当たりが購買する平均購買金額は、2021年1月までは前年同月を大きく上回りました。
 このような動きは各種学校が休校になった2020年3月より見られており、1年が経ちました。そのため、2021年3月には平均客単価はほぼ前年並みとなった一方、来店回数は引き続き前年を下回っていることから、1人当たりの平均購買金額はついに前年を下回りました。

月別購買動向
月別購買動向

 次に、カテゴリー別の下半期の動向を分析し、期間中平均購買金額(1人当たり)や、購入経験率(期間中来店者のうち購入したことのある人の割合)を集計しました。ともに前年同期を大きく上回ったのが下記のカテゴリーです。
 水産では、水産西京漬や冷凍切身など手軽に調理できる食材への需要が高まりました。畜産では国産豚うす切りや国産豚しゃぶしゃぶ用などの需要が高まり、在宅率が高まったことで様々な調理に国産豚を用いたことが推測されます。惣菜や菓子では、ピザ半惣菜や和風スナック惣菜、和風半・生菓子や洋風半・生菓子の需要が高く、こちらも在宅率が高まったことで、軽食やお菓子として購入が促進されました。

下半期カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)
下半期カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)

 また、コロナ禍での購買行動を顕著に示したのが串焼惣菜カテゴリーでした。上記で集計したように、串焼惣菜は平均購買金額、購入経験率ともに前年を上回り、堅調に推移しました。しかし、平均購買点数で見ると、前年比78.3%と大きく落ち込みました。
 これは、以前はバイキング形式でばら売りを1点ずつ購買していたショッパーが一定層いましたが、コロナ禍により、複数点数を包装した商品への購買が進んだことが理由として挙げられます。その結果、金額では前年を上回ったものの、点数では下回りました。

串焼惣菜下半期購買動向
串焼惣菜下半期購買動向

 一方、期間中平均購買金額(1人当たり)や、購入経験率(期間中来店者のうち購入したことのある人の割合)がともに前年を大きく下回ったのは下記のカテゴリーです。輸入牛ステーキ、オードブル惣菜などが前年を下回りましたが、人が集まる機会が大幅に減少したことが影響しているものと見られます。

下半期カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)
下半期カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)

 性年齢別の動向も確認しましょう。今回は、全会員で増加率が高かった和風半・生菓子と洋風半・生菓子の動向を見ていきます。
 下記は和風半・生菓子の期間中購買金額(半年間)と購入経験率(半年間)を、女性の年代別に集計したものです。一人当たりの購買金額は年代が上がるに連れて高くなりますが、対前年比は若年女性の方が高い傾向にあります。高年代女性だけではなく、若年女性でもリピート購買が促進されたと言えるでしょう。

和風半・生菓子カテゴリーの購買動向
和風半・生菓子カテゴリーの購買動向

 洋風半・生菓子は、高年代女性の購入経験率が高まっただけではなく、1人当たりの購買金額も大きく増加しました。1人当たりの購買金額が最も大きな世代が、女性50代から女性60代に変わりました。こちらも、若年層、ファミリー層以外の需要を獲得できたと言えるでしょう。

洋風半・生菓子の購買動向
洋風半・生菓子の購買動向

 2021年2月までは堅調に推移した食品スーパーでしたが、3月に入り前年比マイナスに転じました。4月には再度緊急事態宣言が出され、不要不急の外出自粛が依頼されています。その結果、引き続き食品スーパーの利用が増えることも想定され、定期的に状況を確認する必要があるでしょう。ショッパーインサイトでは、定期的に動向をご紹介します。

  • ※1 2020年下半期 食品スーパーマーケット業態 購買行動データ(月別購買行動編/性年代別購買行動編の詳しい概要はこちらをご覧ください

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