コラム

2021年度上半期の購買行動

2021年度上半期の購買行動

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 株式会社ショッパーインサイトでは、半年に1回食品スーパーマーケットにおける消費者の購買行動をまとめており、このたび2021年4月~2021年9月の食品スーパーマーケット業態 購買行動データを発刊しました※1。昨年は新型コロナウイルス蔓延に伴い、食品スーパーにおいても、従来とは大きく異なる購買行動が見られました。1年が経過した2021年上半期は前期の反動減があるのか、など注目される項目が多いです。今回のコラムでは主な動向をご紹介します。

 最初に、月別の平均来店回数、平均購買金額、平均客単価の推移を集計しました。2020年5月以降、平均来店回数は前年を下回る傾向が続いていました。そのため、2021年4月までは前年を下回りました。5月に入るとほぼ前年並み、6月には前年を上回る月も見られます。しかし、依然として一昨年ほどの水準には戻っておらず、引き続き食品スーパーへの来店を控えているようです。
 一方、平均客単価では、昨年は前年同月を5%以上上回る月が続いていましたが、2021年4月にはその反動減で前年比94.0%となりました。しかし、徐々に回復しており、2021年7月以降はほぼ前年並みとなりました。来店を控える一方、1回当たりの平均客単価は昨年と同水準です。その結果、来店者1人当たりが購買する平均購買金額は、2021年6月以降は前年同月並みとなっており、一昨年を上回る状況が続いています。

月別購買動向
月別購買動向

 次に、カテゴリー別の上半期の動向を分析し、期間中平均購買金額(1人当たり)や、購入経験率(期間中来店者のうち購入したことのある人の割合)を集計しました。ともに前年同期を大きく上回ったのが下記のカテゴリーです。
 農産では、カット野菜や桃、パイナップルなどの需要が高まりました。後述しますが、天候不順により農産の価格が高まったことで、価格が安定しているカット野菜への購買が促進されたようです。また、パイナップルは、台湾から日本向けの輸出量が増加したことにより、食品スーパーでも3月から5月にかけて台湾産パイナップルが好調に推移しました。
 また、在宅率の高まりや自炊疲れから惣菜の需要が高まっており、唐揚惣菜、中華惣菜煮物などの平均購買金額や購入経験率が前年同期を大きく上回りました。
 尚、ビールは平均購買金額が前年同期比96.5%ですが、酒税改正の影響を受けて販売価格が低下していることが大きな要因のため、増加率の大きなカテゴリーとして対象としました。

上半期カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)
上半期カテゴリー別購買動向(増加率の大きなカテゴリー)

 一方、期間中平均購買金額(1人当たり)や、購入経験率(期間中来店者のうち購入したことのある人の割合)がともに前年を大きく下回ったのは下記のカテゴリーです。農産が多く占めています。
 レタスやピーマンなどは天候不順の影響で価格が高騰したため、買い控えられたようです。また、昨年は在宅率が高まったことで若年層を中心に自炊をする人が増えましたが、コロナ禍が一年を超えたことで自炊疲れたとなったことも影響したようです。

上半期カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)
上半期カテゴリー別購買動向(減少率の大きなカテゴリー)

 性年齢別の動向も確認しましょう。最初に、全会員で平均購買金額、購入経験率の増加率が高かったプレミアムアイスの動向を見ていきます。
 下記はプレミアムアイスの期間中購買金額(半年間)と購入経験率(半年間)を、女性の年代別に集計したものです。購入経験率は若年層ほど高く、対前年比の増加率も若年層ほど高いことがわかります。在宅率の高まりから、プチ贅沢需要により若年女性の購買が促進されているようです。
 一方、一人当たりの購買金額は、年代が上がるに連れて高いです。今後は、新たに獲得した若年層が継続して購買する、または、購買頻度を高めるための施策が重要になるでしょう。

プレミアムアイスカテゴリーの購買動向
プレミアムアイスカテゴリーの購買動向

 下記図表は、全会員で平均購買金額、購入経験率の増加率が低下した洋風ミックス粉の女性年代別平均購買金額、購入経験率の結果です。
 多くの世代で購入経験率が前年同期⽐を下回っていますが、特に若年⼥性の減少率が⾼いです。昨年の在宅率⾼まりを受けて、ホットケーキなどを⾃宅で作る⼈が増えたことで、洋風ミックス粉は大きく購買金額、購入経験率が増加しましたが、その反動減となったようです。再度若年層の需要を活性化させる取り組みが求められます。

洋風ミックス粉の購買動向
洋風ミックス粉の購買動向

 2021年4月以降も来店回数は増加していないものの、客単価も大きくは変わっておらず、引き続き来店回数を減らし、まとめ買いをする購買行動に大きな変化は見られていません。また、一部のカテゴリーでは前年の反動を受けて減少していますが、一昨年同期は上回っているカテゴリーも多く、しばらくは堅調に推移するでしょう。
 2021年10月現在、緊急事態宣言が解除され、徐々に元の生活に戻りつつありますが、食品スーパーの購買行動そのものは大きくは変化しないようです。今後もショッパーインサイトでは、定期的に動向をご紹介します。

  • ※1 2021年上半期 食品スーパーマーケット業態 購買行動データ(月別購買行動編/性年代別購買行動編の詳しい概要はこちらをご覧ください

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