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Column コラム

2022.12.13

2022年生鮮価格高騰の中での鍋トレンド

 今回のレポートではこれから最盛期に向かう鍋商材を軸に、気候変動や為替影響などにより高値が続いている生鮮品の動向と、例年に比べて気温が高く推移していることでの影響を弊社rsSMのデータで確認してみたいと思います。

2022年9月~11月 地域別旬別平年気温差

データ出典 気象庁HP「過去の地域平均気象データ検索」から

 9月中旬は残暑、10月は上旬に瞬間的に気温が下がりましたが、11月は暖冬傾向となっております。

「鍋つゆ」9月以降の1店舗当たり購入金額週次前年比推移

データ出典 rsSM 全国会員ベース

 鍋つゆ商品は10月上旬の気温低下で一気に需要が拡大しましたが、11月の暖冬影響で前年比が90%前後で推移しています。 昨年は年末に需要が最大化しています。(すきやき割り下需要)

2022年9月以降 鍋つゆ種類別1店舗当たり購入金額積み上げグラフ

データ出典 rsSM 全国会員ベース

 9月中は気温が高い為、肉がメイン食材であるすきやき・しゃぶしゃぶがベースとなっていますが、気温が下がってくると、寄せ鍋や豆乳鍋など様々な食材を使う鍋メニューのボリュームが大きくなり、鍋つゆトータルがボリュームアップしてきています。

2022年9月以降 鍋つゆ種類別1店舗当たり購入金額積み上げグラフ

データ出典 rsSM 全国会員ベース

 鍋つゆの種類別構成比を時系列で前年と比較すると、昨年の鍋の種類とのギャップが確認できます。
 昨年9月構成比が高かった「しゃぶしゃぶ用」が本年9月では構成比が下がり、その分「その他」「すきやき用」が増えています。10月の瞬間的な気温の低下による需要増は「辛鍋系」が大きく構成比を伸ばしています。
 体感気温によって選ぶ鍋の種類が変化する為だと考えられます。
 暖冬の11月は「寄せ鍋系」の構成比が縮小し、「しゃぶしゃぶ用」「辛鍋系」「その他」が構成比アップしています。

鍋商材の単価アップによる点数への影響確認

 下記期間に鍋つゆが含まれるバスケットのみを抽出し、一緒に入っている鍋商材を「購入単価」と「1バスケット当たり購入点数」の2軸で散布図を作成。

データ出典;rsSM 全国会員ベース 分析期間;2022年10月3日~2022年11月27日 8週間(前年同期)

 鍋に使う食材の殆どで単価がアップしていますが、1バスケット当たりの購入点数のダウンは軽微で、鍋つゆ購入のバスケットでは単価アップ分がバスケット単価アップにつながっている状態となっています。
 しかし、単価アップしても点数がアップしているのは農産・水産が多く、点数がダウン傾向なのが畜産となっているため、畜産の今後の動向には注意が必要だと思われます。

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