Sakiyomi 教えて!サキヨミ博士!
2024.12.25
教えて!サキヨミ博士!
最新お買物データからサキヨミする『消費者インサイト』第7回
食品スーパーの「今年の顔」とは一体!?
2024年の傾向をヨミトク!
ショッパーインサイトが提供している全食品ID-POSデータサービス「real shopper SM」を読み解き、食にまつわる生活者のトレンドを深堀りしていくコンテンツです。
食べることが大好きなデータ分析のプロ「サキヨミ博士」と、駆け出しの助手「YOMI」が毎月1回、さまざまなテーマを掘り下げていきます。
サキヨミ博士
データから、生活者の購買行動について研究している博士。
趣味は料理で、街のスーパーで買物を楽しんでいるところを頻繁に目撃される。
先読みしているときには、頭の「Y」マークが黄色に光るらしい。
YOMI
博士が作った最先端ロボット!のはずだが、ちょっとおっちょこちょい。
博士の作る料理が大好きなYOMIはいつも一生懸命な頑張り屋。でも考えすぎると、頭から煙が出て、ショートしてしまうので注意が必要。
感情によって「Y」マークの色が変わるので注目。
いろいろなことがあった2024年を食の視点で振り返る
今年ももう終わりだ!!
毎年、「今年はいつもより短かった!」と思うの不思議すぎるよ…
ワシなんて、ほんと一年が一瞬じゃ…
(人の命とは、案外、儚いものじゃの…)
なんだか深い話だね…(トホホ)
(こういう時は、話題を変えよう、、!!)
そういえばさ、これまで半年にわたって、様々な商品カテゴリーの「ID-POS データ」を活用して、一緒に生活者トレンドを読み解いてきたよね!!
そうじゃな…あっという間だったわい、、
それがどうかしたのかのぉ?
一部の商品カテゴリーだけじゃなくて、ID-POSデータ全体を活用して、「今年一年間の生活者の傾向」を観れたりしないのかな…?
おお…さすが我が弟子じゃ…!!
全身に力がみなぎってきたわい!!!
こうしてはおれん!早速、ID-POSデータで見てみるぞい!!
半年にわたって連載をしてきた本企画。2024年を締めくくる今回は、「ID-POSデータ」全体の傾向から、より大きな消費者トレンドを読み解いていきます。
こちらは、今年度の総購入額の前年度伸長率に与えた影響度の大きさを基準とした「寄与度」を、高い順にランキング形式で表したものじゃ!
つまり、今年特に「売れ筋」な商品が、上位にランクインしているんだね!!
一位は、「うるち米」だよ!!
これは第5回でも触れたように、「令和の米騒動」による物価高騰の影響を受けているんじゃな~
それだけ日本人にとって、お米が重要なことがわかるぞい!
あとは「乳酸菌飲料」「キウイフルーツ」「ミネラルウォーター」も上位にランクインしているね!
これは一体!?
「乳酸菌飲料」に関しては、コロナ禍以降、個人での免疫対策や健康意識が高まり、結果、「一時的に飲む飲料から、習慣的に飲む飲料」へと変化したことが伺えるの~
「キウイフルーツ」に関しては、ここ10年間で消費量が1.7倍に拡大していて、最近は栄養価の高さも注目されておるからじゃな。
「ミネラルウォーター」は、10~30代の若年層と、40~50代でTOP10にランクインしているね!
これも何か裏がありそうだよ…!!
これには、いくつかの要因が考えられるんじゃ。
①他の飲料よりも低価格で常に常用しやすい
②猛暑の影響で、熱中症予防のための水分補給が欠かせなくなった
③防災備蓄品としての需要
④健康や美容効果への期待
など、多岐にわたるようじゃ!
たくさん要因があって覚えきれないや…!!
水ってやっぱり人間にとって大切なものなんだね…!!
そういえば、YOMIの好物の「生さんま」もランクインしておるの!!!
この理由は、今年は「さんま」が豊漁だったからじゃないかな!去年は不漁で「さんま」が高級魚で手が出なかったからね…(シクシク)
そうじゃな!
魚関連で言えば、40-50代で「塩さけ」が15位、60-70代で16位にランクインしておるが、「塩さば」は10-30代でランクインしているのに、両世代で圏外になっておるの!!
う~ん…これは年代による食の嗜好性の違いが出ているのかな~? (どっちも美味しいのに…)
あと、ハカセ的には「玉葱」にも注目してみてほしい!
どの世代にも上位にランクインしておるじゃろ!!
なんでかさっぱり分からないよ~
どうしてなの?
出典:農林水産省 青果物卸売市場調査(日別調査)を弊社にて加工
こちらのグラフを見て欲しい。
このグラフは、生鮮野菜の卸売価格の今年一年間の推移を示したグラフじゃ!!
多くの野菜は、値動きが大きいのに、「玉葱」は低い水準で安定的に推移しているね!!
そうじゃ。
今年は、夏の猛暑や異常気象などが、野菜の生産量に影響を与えたほか、輸送費や人件費の上昇によって、野菜の価格が高騰する傾向だったのじゃ。
そんな中、「玉葱」は、野菜としての汎用性が高いだけでなく、比較的安定した価格を保っていたからこそ、多くの人が手に取ったのかもしれんの!
「玉葱」最高過ぎるよ!!!
今回のまとめ
●2024年に最も売り上げが伸びたのは「うるち米」
●「乳酸菌飲料」「キウイフルーツ」「ミネラルウォーター」も売れ筋
●環境の変化や物価高の影響もあり「生さんま」や「玉葱」がランクイン
今年は、能登半島沖の地震から年が始まり、夏の猛暑、米不足、物価の高騰など、
日本の食を支える基盤が揺らいだ一年だったかと思います。
これからも、こういった天災や国際情勢によって、食が脅かされることがないように、データを日常的に活用していく必要があるかと思います。
当社では、今回のレポートのように商品カテゴリーごとの分析だけではなく、個別銘柄ごとの分析も実施することができます。
さらに、生活者を取り巻く環境や特徴を考慮した分析提案を行うことも可能ですので、結果の詳細や、別の市場や個別商品のデータ分析をご覧になりたい方は、画面左の「お問い合せ」からお気軽にお問い合わせください。