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最新お買物データからサキヨミする『消費者インサイト』第9回

Sakiyomi 教えて!サキヨミ博士!

2025.03.31

教えて!サキヨミ博士!
最新お買物データからサキヨミする『消費者インサイト』第9回

お米も野菜も高騰する中、
お肉はどうなのか!?をヨミトク

ショッパーインサイトが提供している全食品ID-POSデータサービス「real shopper SM」を読み解き、食にまつわる生活者のトレンドを深堀りしていくコンテンツです。
食べることが大好きなデータ分析のプロ「サキヨミ博士」と、駆け出しの助手「YOMI」が毎月1回、さまざまなテーマを掘り下げていきます。

サキヨミ博士

データから、生活者の購買行動について研究している博士。
趣味は料理で、街のスーパーで買物を楽しんでいるところを頻繁に目撃される。
先読みしているときには、頭の「Y」マークが黄色に光るらしい。

YOMI

博士が作った最先端ロボット!のはずだが、ちょっとおっちょこちょい。
博士の作る料理が大好きなYOMIはいつも一生懸命な頑張り屋。でも考えすぎると、頭から煙が出て、ショートしてしまうので注意が必要。
感情によって「Y」マークの色が変わるので注目。

物価高の今、お肉はどうなっている?

物価が高すぎるよ…ハカセ…
ひもじい食事が続いてエネルギー切れしそうだよ…!!

YOMIの燃料は食べ物だから、燃料代がきついのじゃ…
でも可哀想だから、今日は「お肉」にしようかの…

ハカセ~~!!
ケチ臭いなと思ってたけど、見直したよ!!

ヒトコト余計じゃい!!

話は変わるけどさ、お肉にも牛・豚・鶏があるけど、今の物価高の影響をどう受けているんだろうね?

ワシの受け流し方が雑過ぎるところは目をつぶるが、
良い視点じゃぞい…!
今回は「お肉」にフォーカスを置いて購買分析をしてみよう!

牛肉・豚肉・鶏肉は、我々の生活にとって欠かせない食材です。
様々な部位があり、それぞれに合わせた多彩な料理があるため、毎日お肉を使う人も多いのではないでしょうか?
物価高の影響により、お肉の値段も高騰していく中、消費者の購買は変化や特徴があるのでしょうか?
「ID-POSデータ」全体の傾向から、より大きな消費者トレンドを読み解いていきます。

上の図は、牛肉・豚肉・鶏肉・精肉類(羊肉、馬肉、ひき肉など)・精肉加工品(味付肉・ベーコン・ハム・ソーセージなど)の2024年2月から2025年2月における購入率(前年同月比)推移を示したグラフじゃ。

全ての肉類で、購入率が減少傾向にあるね…
2025年の2月を見てみると、特に「牛肉」が前年同月比と比べて-7.7%と最も低くなっているね…

やはり、「牛肉」は元々ぜいたく品のイメージがあり、節約のために買い控える傾向が他のお肉より強いのかもしれんの~!

こちらは、年代別に2月の買い物客一人当たりの購入金額を、前年同月比で比べたグラフじゃ。

やっぱり全年代で「牛肉・鶏肉」の購入金額が減少しているね!
でも、20~50代、80代では、「豚肉・精肉類・精肉加工品」の購入金額が増加しているよ!

うむ!特に20代、30代でその傾向が強く出ていて、「牛肉・鶏肉」を良く買っていたけど、「豚肉・精肉類・精肉加工品」にシフトしている様子が伺えるの!

牛肉と偏にいっても、和牛・国産牛・輸入牛と、産地でカテゴリー分けがされています。次からは、産地別でどのような購買変化があるのか、分析してみましょう

左側のグラフが「和牛・国産牛と輸入牛」の単価推移を示したグラフじゃ。
どちらもやや右肩上がりで、「和牛・国産牛」の方が高い金額で推移しているの。

右側のグラフは、単価推移の前年同月比を示したものだね。
前年同月比は105%前後を推移していて、円安の影響を受けて2023年から2024年への値上がり幅が大きいことがわかるね!

つまり、和牛・国産牛の方が高いけど、価格は安定していて、今後、国産回帰の流れもみられるかもしれないのぉ~!

上のグラフは、牛肉・豚肉・鶏肉の購入客単価および購入点数を、2024年2月と2025年の2月度で比較したグラフじゃ。

左側の購入客単価は増加しているけど、右側の購入点数は減少しているね。これはつまり?

これはつまり、物価高の影響で、商品単価自体が上がった影響がみられるという事じゃ。

値上げの話はもうこりごりだよ~

じゃが和牛の中でも購入金額が伸びていた「和牛しゃぶしゃぶ」を詳しく分析してみると、他の肉類とまた違った傾向がみられたぞ!

これは「和牛しゃぶしゃぶ」の購入客単価と購入点数をそれぞれ示したグラフだね。つまり?

客単価の4000円以上、5000円以上の中価格帯が増加し、さらに購入点数も増えているぞ。つまり、種類・用途によっては伸びている肉類もあるという事じゃ!

へ~!じゃあウチも今日は、ちょっといいお肉でしゃぶしゃぶパーティーをしちゃおうよ!!

ヒャッホ~! 鍋の準備じゃ~!!

今回のまとめ

食肉類の購入率は下降傾向
輸入牛は単価金額前年比が105%前後を推移
●「和牛しゃぶしゃぶ」は購入客単価と購入点数が増加傾向

肉食文化が始まり、150年ほどになりますが、今ではすっかり定着し、ついに魚よりも食べられる食材へとなりました。
近年では、健康面でも肉を日常的に食べることが推奨され、若年層だけでなく、高齢者層においても消費量が伸びているため、今後ますます日本人の生活必需品としての重要性が高まっていくことでしょう。

今回で「サキヨミ博士」の連載は終了になります。ご購読して頂いた皆様ありがとうございました。

当社では、今回のレポートのような商品カテゴリーごとの分類だけでなく、個別銘柄ごとの分析も実施する事が出来ます。さらに、生活者を取り巻く環境や特徴を考慮した分析提案を行うことも可能ですので、結果の詳細や、別の市場・個別商品のデータ分析をご覧になりたい方は、画面左の「お問合せ」からお気軽にお問い合わせください。

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