ショッパーインサイト石橋と申します。
　2022年1月からショッパーインサイトのメンバーに加わり、コラムを担当させていただくことになりました。
　簡単に自己紹介させて頂きますと、大学卒業後大手スーパーに入社、店舗の売り場担当、アシスタントバイヤー、バイヤー、チーフバイヤーを経験後、大手酒類メーカーに転職し提案力強化を目的としたリテールサポートのメニュー開発、人材育成を担当しておりました。
　小売りの商品部・メーカーの営業部門という流通の入口・出口の両方の経験から、ショッパーインサイトのサービスを通じて、生産者様　メーカー様　卸様　小売業様の間の障壁を壊し、効率的なお取引ができるようお手伝いが出来ればと思っております。よろしくお願いいたします。
　このコラムでは現在小売業の店頭で起きている変化や、各月の営業数字に影響しそうなポイントを、弊社realshopper SMデータを活用して検証し、次の商機に生かせるようなポイントをお伝え出来ればと思っております。

　今回は３月の大きなイベント、ひな祭りとお彼岸3連休という和の季節催事の動向について検証してみたいと思います。
まず曜日与件から確認したいと思います。

ひな祭り

2021年2022年ともに平日でチラシ訴求しやすい期間。

お彼岸

2021年では春分の日が土曜日にかぶり祝日効果が薄いのに対して、2022年は3連休となり祝日効果が大。

ひな祭り・お彼岸期間部門別購入金額前年比比較

ひな祭り・お彼岸期間 農産 惣菜 嗜好品 食品 カテゴリー別購入金額前年比比較

　購入金額総計前年比では、ひな祭り・お彼岸とも前年越えで消費が拡大しています。
　特にお彼岸は前述の通り月曜日が春分の日で3連休となり、祝日効果が＋１日あり前年比105.5%と伸び率が特に高くなっています。
　好調要因はひな祭りのテーブルを彩った　惣菜（寿司類）嗜好品菓子（和菓子他）、そして農産の（果物・果物盛り合わせ）が牽引してくれました。
　様々なチェーンのチラシを絡めた店頭販促で購買意欲をそそった結果だと思います。

ひな祭り・お彼岸期間　間口×奥行分解

　ひな祭り・お彼岸各期間で売り上げを伸ばしたカテゴリーは一人当たりの購入金額拡大で成長したのか、または来店されている人の中で対象カテゴリーを買う人の割合が高まったのか分解して見ていきたいと思います。

間口率：購入者出現率＝（ユニークの）購入者数÷（ユニークの）来店客数

来店された人の中で対象カテゴリーを買う人の割合を見る指標です。
今回は2021年の購入者出現率との前年差を横軸にとり、右側のゾーンは購入者割合が昨年に比べて増えたカテゴリーがプロットされるよう表現しています。

奥行：一人当たり購入金額＝購入金額計÷（ユニークの）購入者数

一人当たりの購入金額のボリュームを見る指標です。
今回は縦軸で2021年の奥行で割って前年比にしています、100％の線より上にプロットされているカテゴリーは昨年より一人当たりの購入金額が増えています。
円の大きさは1店舗当たりの購入金額で購入金額の規模を比較できるようにしています。
ひな祭りの重点商品　惣菜弁当（寿司）　即席食品（吸い物・味噌汁）　お菓子（生菓子）、お彼岸　お菓子（生菓子）は一人当たりの消費量を増やしつつ、買う人の割合も高まっています。
季節催事向け商材の強化が「購入者拡大」「一人あたり購入金額の拡大」の両軸で効果が確認できました。

次回「3月のひな祭り　お彼岸和の季節催事の動向は？（後編）」に続く。